ADLの簡易評価ツール「DEATH SHAFT」

 今夜の一題。

 【 112F30 】

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 【答え】c

 ADL、より対比を明確にするならBADL(基本的日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)の問題です。選択肢cが炊飯器などの道具を使うのでIADL、その他の選択肢は道具を使わないのでADL。もちろんADLでも、“モノ”は使いますが、それほど高度な使い方はしません。

 さて、まずは略語をスペルアウト!

 BADL:Basic Activities of Daily Living

  IADL:Instrumental Activities of Daily Living

 道具を使うかどうかという違いがあるわけですが、ADLでも”モノ”は使うので、具体例は意外に覚えにくいです。

 それぞれ評価方法があり、ADLならBarthel Index、IADLならLawton尺度あたりが定番です。▶日本老年医学会のサイトに詳しく紹介されています。実臨床ではリハの方々が評価してくれることが多いです。しかし、研修医も数値こそ付けなくともおおよその状態は捉えておきたい所。そんな時に役立つのが、DEATH SHAFTというキーフレーズです。

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 ADLは高齢者で評価することが多いわけですが、高齢者の包括的な評価には下記があります。余裕のある時にしっかり評価しておきたいものです。

  • CGA 7(高齢者総合機能評価)
  • Mini-Cog(あるいはHDS-R, MMSE)
  • DEATH SHAFT
  • 経済状況、家族状況、集団行動

 

 最後にADL/IADLの国試をもう一問!

 【 110E19 】

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 【答え】d

 服薬管理は重要ですからね。特に高齢者や認知症の方だとポリファーマシーとなっているのをよく見かけます。認知症が進むと、カレンダー管理が導入されたり、訪問看護師による服薬確認が必要になったりします。国試で問われるのも納得です!

 

 

<参考文献>

医学書院/週刊医学界新聞(第3202号 2016年12月05日)